マッチングアプリや出会い系サイト上でのトラブルは避けたいですが、もしも当事者になってしまったら・・・。
個人では判断の難しい事案について、詐欺や男女トラブルに詳しい若井綜合法律事務所の若井 亮弁護士に教えていただきます。
若井 亮弁護士
東京弁護士会所属
早稲田大学第一文学部卒業、慶應義塾大学法科大学院修了
弁護士登録年2013年
今回のテーマは【ロマンス詐欺・国際ロマンス詐欺】です。
国際ロマンス詐欺に関するニュース
2022年8月8日には、大阪府警は国際ロマンス詐欺の手口で金をだまし取ったとして、以前より指名手配していた住居不定、無職の森川光容疑者(58歳)を逮捕しました。
森川容疑者は潜伏先の西アフリカ・ガーナで身柄を拘束されて日本に移送されました。
報道によると、逮捕容疑は、男性の森川容疑者が複数人で共謀し、「国際連合所属女性医師」や「米国の女性ライター」になりすまして男性2人から計約150万円をだまし取ったとされています。
森川容疑者は「ガーナ人の指示でカネを回収しただけ」と話し、詐欺については否認しているそうですが、このほかにも65人の男女からだまし取った金額は合わせて約3億9000万円にのぼると見られているとのこと。
【ロマンス詐欺・国際ロマンス詐欺】は、出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った相手に投資話を持ち掛けたり、恋愛感情を利用して不当に金銭を送金させる特殊詐欺の一種。
昨今、【ロマンス詐欺・国際ロマンス詐欺】の被害に遭う人が後を絶ちません。
たとえば、投資に絡む詐欺被害についてみてみると、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)によると、2018年度は出会い系サイトやマッチングアプリ等に関する相談件数12件のうち2件(約17%)だったのが、2021年度は12月31日までで187件のうち170件と、約90%を占めるほど急増しています。
出会い系サイトやマッチングアプリ等に関する相談件数のうち、投資などに関する相談件数の推移(出典:国民生活センター)
「サイトで出会った相手に”もうかる投資話がある”と言われ、指定された口座に振りこんだらまったく連絡が取れなくなった」
「アプリで知り合った人に紹介され、暗号資産(仮想通貨)を購入して海外のサイトに送金した。さらに本人確認資料として運転免許証の画像を送付したが、サイトと連絡が取れなくなった」
「アプリで親しくなった外国人から、日本に送る荷物を代わりに受け取ってほしいと頼まれ承諾したら、受取人払いで50万円かかると配送業者から連絡があり国際送金での支払いを急かされ振り込んだ」
犯人は海外に居住しているケースが多いとされています。
ダークウェブでは偽造身分証や自分以外の名義の銀行口座を安価で手に入れられるため、それらを利用するなど巧みに身分を隠し、偽のアカウントで接近してきます。
【ロマンス詐欺・国際ロマンス詐欺】のみの発生件数を示したデータはありませんが、警察庁によると、2021年の特殊詐欺の発生件数は1万4498件、被害総額は280億円にも上りました。
【ロマンス詐欺・国際ロマンス詐欺】に引っかからないようにするためにはどうすればよいのでしょうか?
万が一、支払ってしまったお金は取り戻せるのでしょうか?